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ペットビジネスを繁盛させる経営者のためのメールマガジン’19年2月10日号
船井総研の金子男也です。
2019年は、
元号が変わり、税率が上がり、労務費が上昇します。
大なり小なり、それぞれが経営に影響を及ぼします。
このような変化の年に、経営者はどうするべきか。
それは、世の中のサイクル(波)を鵜の目鷹の目で読むことです。
そして、原理原則を重視した経営をすることです。
サイクル(波)は、数年サイクルの小波もあれば、
数十年サイクルの大波もあります。
前者を流行と言い、
後者を時流と言います。
流行に敏感なのもよいのですが、
まずはマクロな時流を理解したうえで、
ミクロにも対応していきたいものです。
経済学における景気循環のサイクル(波)は、いろいろあります。
小さいものから順に、
在庫循環によるチキンの波(約3年半サイクル)
設備投資循環によるジュグラーの波(約10年)
建造物の建替えや人口の変化によるクズネッツの波(約20年)
技術革新によるコンドラチェフの波(約50年)
などがあります。
また、それらの波が複合型でやってくることもありえます。
“三角波”のように、船乗りに大変恐れられている波もありますが、
景気循環にも似たようなものがあります。
身近な例で申しますと、
イギリスのロックバンド、クイーン。
ビートルズやローリングストーンズのような時間軸(時流)で
古くから支持されていますが、
映画「ボヘミアン・ラプソディ」のヒット(流行)で、
老いも若きも支持しています。
時流と流行が重なると、波が大きくなります。
ペットビジネスに置き換えると、どうでしょうか。
私は経営コンサルタント歴22年ですが、
20年ほど前の1999年頃は、
ペットショップのコンサルティングにも注力していました。
当時は、M・ダックスが人気でした。
子供との相性がよく、ファミリー層に支持されていました。
そして、2002年。
某消費者金融のCMでチワワの人気が出てきました。
室内で飼いやすく、Mダックスよりも少しエレガント。
カラーバリエーションも豊富。
アパレル(人間の洋服)業界のトレンドでは、
カジュアルからエレガンスに移行していましたので、
選ばれる犬種もその影響を受けていたように思います。
当時、団塊世代が50代になり、
子供の教育費の負担から解放され、
プチ贅沢ができるタイミングでした。
「付和雷同的だけど人と一緒はちょっと嫌」
という団塊世代にとって、
人気のチワワを自分好みのカラーバリエーションで、
というニーズに火がついて、ブレイクしました。
当時は、バイヤーさんと一緒に、
ブリーダー開拓に東奔西走したものです。
そして、2008年、
浅田真央さんの飼っていたエアロちゃんの影響で、
トイ・プードルが注目されました。
チワワよりもさらにエレガンス。
テディベアカット等のバリエーションが楽しめ、
抜け毛が少なく、
アパレルの カジュアル → エレガンス の
トレンドにも呼応していたのか、
トイ・プードルの人気に火がつきました。
M・ダックス → チワワ → トイ・プードル
この流れは、捉え方によっては、
在庫循環のチキンの波だったのかもしれません。
その後、MIX犬が増えてきましたので、
最近は明確な売れ筋犬種の波は
なかなか発生しませんが・・・。
ペットブームのピークから16年。
当時のパピーは、現在では亡くなっているか、
あるいはシニア犬です。
その中で、特筆すべきはチワワです。
チワワは、平均の2.2倍ほど
循環器疾患のリスクが高いです。
巷にシニアのチワワが多ければ、
循環器の症例数も多いと考えることができます。
サイクル(波)を考慮すると、
在庫循環のチキンの波と、
人口(チワワの年齢&頭数)の変化によるグズネッツの波が、
16~20年のタイムラグで三角波となって、
臨床の現場に押し寄せているのかもしれません。
※ただし、今後も今のペースで循環器の症例が
相当数をキープし続けるかというと、
すでにピークを過ぎているかもしれませんので、
注意が必要です。
このように、いろんな波を読むことで、
この先どうなるか、ある程度は予測できるでしょう。
そして、長年コンサルティングをしていると、
よりマクロな波を発見できるかもしれません。
さあ、2019年は変化の年です。
「うちの業界はこうだから」と井の中の蛙になるのではなく、
近しい異業種や先行業種の動向にもアンテナを張り、
把握しておいた方がよいでしょう。
船井総研では、いろんな業種のコンサルティングをしています。
衣食住、小売からサービスまで、あらゆる情報が集まります。
日本全体のスケール感で情報を取捨選択できます。
そして、「こうすればよさそうだ」という予測は既に完了しています。
※ベースになるものは、社内でもある程度統一していますが、
コンサルタントは「金太郎飴」ではないですし、
同根異才で考えるべきですので、
個々のアレンジは、コンサルタントによって異なります。
環境が変化したときに、
滅びるものは、それまでの環境に最も適応した生物です。
恐竜がそうだったように・・・。
一方、鵜の目鷹の目で変化の波を読み、
上手に波に乗ることができたら、
開業年数が何十年経っていても、
前年対比で110%以上の2桁成長はスムーズです。
読者諸賢の益々のご繁盛をお祈りします。
ご愛読、感謝です。
2019年2月15日 (金)
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