ペットビジネスを繁盛させる 経営者のためのメールマガジン’18年6月3日号

2018年6月6日 (水)

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船井総研の金子男也です。

直近3ヶ月の業績はどのように推移しましたでしょうか?

業界全般的に、好調な企業と苦戦している企業が、

二極化しているように感じます。

私のクライアントに関しては、ありがたいことに、

自己ベストを更新するケースが大多数で推移しています。

そのような企業は、更なる進化を目指し、

保守7:革新3でいう革新3の方に関心をお持ちのようです。

一方、弊社は芳しくない企業にも寄り添っておりますが、

芳しくなくても未来への明るい可能性を励みに、

まずは目の前の課題をクリアーすることに専念しながらも、

いずれ守り一辺倒から反転攻勢に転換できるよう、

研鑽を継続していらっしゃいます。

今回は、前号に引き続き、近未来の話をお送りします。

人口の多い世代に、団塊の世代があります。

戦後のベビーブーマーです。

かつては彼らが消費をリードし、

ペットブームをけん引してくれました。

現時点の消費の主役は団塊ジュニア世代で、

団塊世代は既にリタイアしていますが、

まだまだ隅には置けません。

団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になるのが、

2025年と言われています。

このままでは医療費が財政を圧迫しかねないので、

厚労省は地域包括ケアシステムへと国策の舵を切りました。

これが少子高齢化時代の潮流です。

このメガトレンドが世の中にどのような影響をもたらすのか。

そのひとつは、訪問ビジネスという潮流です。

2025年を見据え、高齢者のQOLを高めるために、

訪問看護とか、訪問医療とか、

訪問〇〇というサービスが顕在化しつつあります。

例えば、メガネ屋さんも訪問して眼鏡を

高齢者に提供しています。

もうひとつは、遠隔■■という潮流です。

ヒトの医療では、遠隔医療に向けたIotデバイスが

現在進行形でどんどん開発されており、

今後も大きく拡充されていくと考えられます。

(この度の診療報酬改定で、いろんな要件がついていますが)

このようなメガトレンドを意識すると、

ペットこそ高齢者のQOLを上げる切り札です。

麻布大学獣医学部動物応用科学科伴侶動物学研究室によると、

ヒトがイヌを適切に飼うとヒトにもイヌにも

オキシトシン(幸せホルモン)が分泌されるそうです。

高齢者のQOLを高める(ある意味)使役犬(猫)として、

家庭犬(猫)が活躍する番ではないでしょうか。

ペットの飼育頭数も増える可能性があります。

高齢者のペット飼育をサポートするうえで、

まず、遠隔■■ついては、

獣医療法がありますので、

どこまで浸透するか現段階では未知数ですが、

潜在需要は大きそうです。

 
一方、訪問〇〇というサービスは、

生産性を底上げできるのであれば、

こちらも潜在需要は大きそうです。

その際、肝心なのは、やはり価格の設定です。

訪問〇〇サービスは、

富裕層しか利用できない高価格帯では、

業界の裾野がなかなか広がりません。

そうかといって、ボランティア価格では

そのサービスを提供する側が長続きしません。

獣医師の往診とか、トリミングの送迎というのは、

従来から存在するサービスですが、

生産性がそこそこ低く、

そのままでは人手不足時代において、

フィットしにくいサービスではないかと懸念されます。

サービス業のあるべきレバレートは、10分1000円です。

(あのQBハウスが好例です。)

高齢者がペットを飼育するサポートとしての

訪問〇〇を実現するためには、

然るべき料金を適切に徴収するか、

品質を廉価版にダウンサイジングするかして、

レバレートの調整をする必要がありそうです。

これがフィットしたら、

収益性が確保でき(売り手よし)、

高齢者のQOLが高まり(買い手よし)、

高齢化社会に貢献できることでしょう(世間よし)。

三方よしです。

(飼育頭数を増やせるかもしれません。)

ここまでは構想段階です。

構想は楽観的に。

計画は悲観的に。

実行は楽観的に。

このステップで行くならば、

計画段階は冷静に検証する必要があります。

本メルマガでお伝えできる情報の

量と粒度には限りがありますが、

例えば、車で15分圏内の商圏(診療圏)に

20万人の人口が見込めるとします。

その中に、年に1回はきちんと動物病院に行くような犬は、

我々の試算では9082頭になります。

地域性にもよりますが、

そのうち高齢者だけで生活する世帯で飼育されている犬は、

我々の試算では1410頭です。

そのパイを地域で占有し合うと仮定し、

ランチェスターで按分すると、

地域1番のシェア26%をとると、367頭です。

地域2番のシェア19%をとると、268頭です。

地域3番のシェア15%をとると、212頭です。

地域4番のシェア11%をとると、155頭です。

地域5番のシェア 7%をとると、 99頭です。
 
 
色々試算した結果、

これらの頭数が、

2ヶ月サイクルで年6回は利用して、

客単価6500円以上のサービスであれば、

採算ベースに乗りそうです。

上記の頭数×6500円×6回で試算しますと、

地域1番 年商1431万円(月商119万円)

地域2番 年商1045万円(月商 87万円)

地域3番 年商 827万円(月商 69万円)

地域4番 年商 605万円(月商 50万円)

地域5番 年商 386万円(月商 32万円)

上記の月商÷6500円÷25日で試算しますと、

1日辺りの対応頭数は以下になります。

地域1番 1日 7.3頭

地域2番 1日 5.4頭

地域3番 1日 4.2頭

地域4番 1日 3.1頭

地域5番 1日 2.0頭

労働分配率40%で考えると、

投下できる人件費は以下の通りです。

地域1番 年間人件費572万円

地域2番 年間人件費418万円

地域3番 年間人件費331万円

地域4番 年間人件費242万円

地域5番 年間人件費154万円

スタッフ1人あたりの年間人件費300万と仮定すると、

投入できる人員数(正社員)は、以下の通りです。

地域1番 1.9人

地域2番 1.4人

地域3番 1.1人

地域4番 0.8人

地域5番 0.5人

スタッフ1人で1日何頭対応すればよいかは以下の通りです。

地域1番 1日7.3頭÷1.9人=3.8頭

地域2番 1日5.4頭÷1.4人=3.9頭

地域3番 1日4.2頭÷1.1人=3.8頭

地域4番 1日3.1頭÷0.8人=3.9頭

地域5番 1日2.0頭÷0.5人=4.0頭

シンプルな検証ですが、

スタッフが訪問して1日4頭を一人で対応できるメニューなら、

成立しそうな数値です。

人件費300万円/年で試算しているということは、

獣医師では人件費的にちょっと厳しいでしょう。

消去法でいくと、トリマーか動物看護師になりそうです。 

 
この検証だけをみると、スモールビジネスですが、

訪問〇〇がきっかけとなり、いろんな波及効果が見込めます。

動物病院の視点では、

病気の早期発見に間接的に貢献してくれれば、

あらためて病院へ連れて来てもらい、

しかるべき獣医療を提供することが可能です。

また、しかるべき要件をクリアーしつつ、

遠隔診療(継続治療)にチャレンジできるかもしれません。

トリマーの視点では、

現状のレバレートがワーキングプアーに近しい場合、

ゲームチェンジできるかもしれません。

そして、動物病院でもトリミングサロンでも、

優秀な経営者がこのビジネスモデルを事業展開すれば、

小さく生んで大きく育て(ドミナント戦略)、

大化けするポテンシャル(地域包括ケア)を感じます。

7年後の2025年に、どんな経営スタイルが正解なのか。

目の前の課題に向き合いつつ、

本業の収益性を高め、

マンパワーを拡充し、

保守7:革新3で近未来にも目線を向けて、

タイムリーにメガトレンドの波に乗れるよう、

アンテナを張って、仕込みをしておきたいですね。

「面白い!具体的な戦闘論を練ってみよう」

という未来志向の経営者は、

ブルーオーシャンのうちに先行者メリットを享受しましょう。

「面白い!けど、今ちょっとピンチなんだよね…」

という経営者は、

ピンチの中から本質にお気付きいただき、

チャンスに変えるヒントになれば幸いです。

 
ご愛読、感謝です。


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